佐島の夕陽

これまでお世話になった恩師が明後日77歳の誕生日を迎える。いわゆる喜寿である。喜寿のお祝いに何がよいかと1週間くらい前から考えていたが、浮かぶのは迷案ばかりで名案が出ない。

御祝い品といっても、物資に恵まれた今の時代、大抵保有しており、サプライズなど直ぐには出て来ない。いよいよ誕生日は明後日に迫ったので、今日中に決心しなければいけない・・・・・・。カタログギフトも考えたが選択放棄とも受け取られかねない。追い詰められて出たアイデアが｢新鮮な佐島の鯛｣である。午後の2時くらいの時刻である。

ここまで決まると早い。早速、時々出掛ける佐島の魚屋さんに電話を入れたところ、昨日はしけで余り水揚げがなかったが、大きな鯛が、一匹生簀に泳いでいるという。電話でその鯛をまず抑えて、駆けつけたのはいうまでもない。実際に店の生簀で、この鯛をみるとなかなかの形・姿・重量の鯛ではないか。メッセージカードを書き、クール宅急便の手続きをするに、時間はかからなかった。

ようやく仕事を終えると、花鳥風月に気配りする、余裕が出てきた・・・・・。




帰りがけにゆっくり見せていただいた「佐島の夕陽」は、これまでお目にかかったことがない、太陽が雲間に目玉焼きのように覗く、忘れ得ない光景であった。

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